なんとも心がざわつく質問です…。
自己啓発本のタイトルは心に刺さるものが多いですが、これほど脳内をぐるぐる回るタイトルはありませんでした。
ホントは「人生はめっちゃくちゃ楽しいぜ!」と言いたい…
でも、即答できない…。っていうか、人生を変えたい!!!
「人生は楽しいかい?」、この本はこんな心のモヤモヤをほぐしてくれる本でした。
扱いにくい心ではなく心と繋がる体にフォーカスしていて、説教じみた言葉や「私にはムリだ…」と思わせる壮大な課題がないのも魅力。
ストーリーに型苦しさは一切なく、「とりあえずやってみるか」のノリで生きる力を回復させてくれる良書でした。
記事の内容
「人生は楽しいかい?」はこんな本
まずは、ゲオルギー・システマスキー氏著、北川貴英氏監修の「人生は楽しいかい?」をざっくり紹介していきます。
ちなみに、ゲオルギー・システマスキーさんは架空の人物だそうです。
システマがベース
この本はロシアの軍隊格闘技「システマ」の哲学がベースになってます。(歯磨き粉とは違います)
「えっ!?ロシアの軍隊格闘技?!マジか…」
最初は、超体育会系の内容なのかと思いましたが、読み始めるとユーモアたっぷりの心地よさがありました。
システマは自分や相手を傷つける武術ではなく、生き残るための武術。その思想には、生きる上で遭遇するいろんな困難から自分を守る知恵が詰まっていて、各分野で応用されているそうです。
そりゃ、究極のストレス状態であろう戦場でも自分をマネージメントできる技術なのだからすごいですよね。
あらすじ
物語は、しがない営業マンの主人公と、変な関西弁を話す、ずんぐりむっくりのロシア人「ゲオ」が出会うところから始まります。
このゲオこそが、ロシア軍特殊部隊で教えていたというシステマの使い手(自称)。豪快で愉快で子供のような性格のおじさんです(笑)
人生を変えたいと思っていた主人公はゲオに弟子入りし、17個の指令に挑戦することに…。
たくさんの笑いと感動シーンが詰まった読みやすい内容です。
「人生は楽しいかい?」の感想
ここからは、感想をつらつら書いていきます。
なぜか、この本は居心地がよく、すでに4周目です。
指令の具体例がわかりやすい
まず、この本の核になる17個の指令はこちらです。(目次になってます)
【指令2】ゆっくりやる
【指令3】知る
【指令4】距離を測る
【指令5】呼吸する
【指令6】姿勢を整える
【指令7】視点を動かす
【指令8】限界に触れる
【指令9】最悪を想定する
【指令10】動き続ける
【指令11】力を抜く
【指令12】成功体験を忘れる
【指令13】観察する
【指令14】衝突をコントロールする
【指令15】分かち合う
【指令16】任せる
【指令17】生きろ
最初に目次を見た時は「なーんだ。よくある自己啓発本に書いてあることと同じかぁ。」と思いました。
ただ、この本のいいところは、それぞれの指令の実践方法が超具体的なレベルに落とし込まれていること。
例えば、ただ「リラックスしましょう」というだけではなく、「最初にギュッと力んでから力を抜く」みたいな感じで即効性のある具体的な方法を教えてくれます。
身体フォーカスはわかりやすい
指令はほぼ身体フォーカスなので、とてもわかりやすいです。
心の観察と違って、体の違和感や呼吸を感じ取ることは意識さえすれば誰にでもできますからね。
この本を読んでから、身体を観察して呼吸を整えたり身体をゆるめたりしてますが、そうすると心も一緒に整ってくるので不思議です。
心と体はホントにつながってるんだなぁと実感してます。
愚痴を聞いてもらってる気分になる
物語中、主人公がゲオにこぼす愚痴が自分の状況と多かれ少なかれ似ていることも多いです。
親しみやすい関西弁でジョークを飛ばしつつ、なんだかんだ言って聞き上手なゲオも名キャラクター(笑)
私は書籍ではなくオーディブルで聴いているので、その場で会話してる感覚になるのも嬉しいところです。
ちなみに、この本は(好きな本でいいんだけど)オーディブルの30日間無料体験で無料でもらうこともできますよ。(体験だけの解約もOK)
リラックスして指令に臨める
この本の指令はやってみて初めて効果を実感できるものばかり。
ただ、プレッシャーやムリだと思える指令は一つもないので、軽い気持ちで始められます。
ゲオのおかしなユーモアも手伝って、「じゃー、今ここで始めよかー」という気分にさせてくれます。
余談ですが、システマのトレーニングもジョークが飛び交う中でリラックスして行われるとか。格闘技の練習って怖そうなのに意外です。
自分の身体に合わせて進められる
システマは自分自身を知ってその中で最善を尽くすのが基本なので、指令で細かいことは言われません。(戦場の生きるか死ぬかの場面で細々した指令は無意味だし)
例えば、呼吸なら「鼻から吸って口から吐く」。これだけです。
実は私、何拍吸って何拍吐くとか、片方の鼻の穴を押さえてもう片方で吸うとかいう呼吸法が苦手。(余計苦しくなる。笑)
細かい事抜きで、自分の感覚にフォーカスできるので無理なく続けられます。
ポジティブではなく平常心
ポジティブ思考は良いとされることが多いですが、ゲオに言わせれば「ポジティブもネガティブも両極の一面しか見えていない状況」だそう。
心がポジティブとネガティブの中間(平常心)であれば、両面を見て正しく判断できるということですね。
パニックゾーンすれすれで生きていればちょっとしたことでパニックになり、平常心ゾーンで生きていれば冷静な対応ができます。
指令をこなす内に平常心ゾーンで生きる方法が身につくのも読んでよかった点です。
ちょっと微妙だった点が1つ・・・
さいごに1つだけ微妙な点を挙げるとしたら、オーディブルの声が他のオーディオ本より小さめなこと。
とは言え、イヤホンで聞けば周りに雑音があっても大丈夫。小説「下町ロケット」の朗読もされていた平川正三さんの声も最高です。
ゲオの関西弁のイントネーションが…という声もありますが、私は名古屋人なので全然気になりません(笑)
この本は、単行本、キンドル本もあるのでそちらで読むのももちろんありです。
オーディブルで聴くなら、30日の無料体験で無料で貰ってみて下さい。(無料期間だけでの解約OK)
おわりに
この本をダウンロードしたのは先月。それなのに既に4回も聴いているってのは尋常ではありません(笑)
でも、なんかホッとするし、指令の効果が実感できる嬉しさがあるんですよね。
生きていれば疲れることも、怒りや悲しみでいっぱいの時も、焦ることもストレスで身体に症状が出ることもあります。
自分の心に寄り添おうと思っても「心ってなんだ?」みたいな時もあります(笑)
この本は、そんな時にでも自分に秘められた力、生きる力を笑いとともに思い出させてくれる1冊です。