蚊、ブヨ、ヌカカ、ダニなどの毒虫達が精力的に活動する夏。刺された時のあの痒さは最悪ですよね。こんな不快な思いをしないためにも虫よけスプレーは欠かせません。
アロマ系も人気ですが、虫除け効果が高いと言われるのはディート配合の物。ただ、副作用が気になるという人も多いのではないでしょうか?
今回は、ディートとはなんぞや?副作用や子供への使用制限、濃度の目安と服の上からも使えるのかについてまとめてみました。
ディートとは
ディート(ジエチルトルアミド)とは第二次大戦中のジャングル戦の経験をもとにアメリカ軍が開発した虫よけ剤。
ジャングル戦と言えばマラリアなどの伝染病にかかって沢山の兵士が命を落としたことでも知られてますもんね。
ディートはまず軍事用として使われ始め、1957年から一般用として使われ始めるようになったので、結構歴史が古いんです。
毒虫の多いエリアで過ごす時は虫除けを使って身を守る事は必要不可欠。ディートは
・安くて持続性がある。
・痒みや伝染病から身を護ってくれる。
など沢山のメリットもあって世界中で使われている成分なんです。
ディートの効果
ディート配合の虫よけ剤を体に塗布することで、毒虫から吸血されるのを防ぐことができます。
どんな虫を避けることができるかと言うと・・・
・ダニ(マダニやイエダニ含む)
・アブ
・ブヨ
・ヌカカ
・サシバエ
・ノミ
・ヤマヒル
・ナンキンムシ
・ツツガムシなど
特にナンキンムシ(トコジラミ)やマダニやイエダニ、デング熱、マラリア、日本脳炎、ウェストナイル熱などを媒介する蚊には有効だそう。
虫よけ剤の種類によっても若干の違いがあるので適用害虫をラベルをチェックしてみて下さいね。
ディートの副作用って何?
万能薬には大体副作用が存在するもの。わざわざ避ける人もいるんだから危険なんじゃないの?という見方もありますよね。
ディートは約60年近く世界中で使用され、安全性の研究も行われてきました。使用法を守れば安全性に問題はないと言われていますが、やっぱり副作用は報告されています。
例えば、
・吸引した時ににくしゃみや咳、頭痛や目の痛み
・連続で大量に使用した場合の神経毒性
・誤飲した時に吐き気、嘔吐や腹部不快など
この副作用は高確率で出るものではなく、この何十年間でそういう研究報告や実例報告があったというレベル。
一番多い副作用は皮膚トラブルですが、使用法を守って使っていれば重篤な副作用が出ることは稀なようです。
私の場合、バーっとスプレーして思いっきり吸い込むとくしゃみが出ることはよくありますけどね(笑)←これは単に使用法が間違ってる(苦笑)
敏感肌なのでちょっと痒みが出ることもありますが、イカリジン配合の物や天然の物でも痒くなることはあるので何とも言えません(笑)
ただし、
赤ちゃんや幼児、子供への使用は気を付ける必要がありますよ!
ディートの子供への使用は?
赤ちゃんから小学生位までの子供への使用には慎重な国も多く、日本の厚生労働省もこんな指導をしています。
- 生後6か月未満の乳児 → 使用しない
- 6ヶ月以上2歳未満 → 1日1回
- 2歳以上12歳未満 → 1日1~3回
そう、ディートって子供には使用制限があるんですよ。
さらに、日本国内で最高濃度の30%の物は12才未満へは使えません。
これは基準の厳しいカナダに準じたもの。基準は国によってバラバラなんですが、注意することにこしたことはないですね。
ただ、害虫を介しての伝染病や痒みから体を守るためにはよく効く成分なので、使用法をしっかり守って賢く使えばそんなに怖がることも無いと思います。
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ディートの濃度と効果
ディートの濃度は低いものから高いものまで色々。5%程度の物から最高レベルの30%配合の物まで売られてます。
元々最高値は12%だったのが2016年に30%に引き上げられました。
私の住むオーストラリアではもっと規制が緩くて最大80%の物もあります。それでも主流は20%位ですけどね。
でも、この濃度って一体何を表すんでしょう?
濃度の高い方がよく効くような気がしますが実は・・・
濃度は虫除け効果自体には変わりがないんです。
変わるのは、効果の持続時間。
持続時間は商品によっても違いがあり、虫の種類や汗、気温などの条件でも変わってくるので一概にこうとは言えませんが、目安としてはこんな感じです。
色んなメーカーの虫よけをスーパーで観察してきました(笑)
10%~20%未満で4~6時間程度
20%前後で6時間程度
30%で8時間程度
40%で10時間程度
濃度の低いものの方が肌への刺激も少ないので、どれだけの間効果が必要かを考えて賢く使うといいですね。
例えばブッシュウォークやキャンプ、釣り、熱帯林ツアーなど長時間アウトドアにいる状態なら濃度の高めものの方が向いているし、1時間位の庭いじりなら濃度の低いものでOK。スプレー後必要がなくなれば洗い落とすのがベストです。
塗りムラがあるとそこから虫に刺されるので、スプレーでなくロールオンタイプやジェル、シートタイプを使って隙間なく伸ばすのが効果的。吸引してしまうこともないですしね。
ちなみに、ディートと同レベルの効果があって副作用がないと言われるイカリジン配合の虫よけもありますが、衛生状態の悪い海外の安宿に泊まる時や熱帯地方に行く時などは適用害虫の違いからディートがおすすめです。
関連記事:イカリジンとは?副作用なし?濃度と持続時間の関係は?
ディートは服の上から塗ってもいい?
ディートは皮革やプラスチックやウレタン、レーヨンを劣化させる性質があるため、こういう素材の服の上からスプレーするのはやめた方が無難。
綿やウール、ナイロンは大丈夫だそうですけどね。
ディート入りの虫よけは衣類の下の皮膚には塗らず、皮膚の露出部だけに塗布して下さいね。
おわりに
ディート入りの虫よけは使用法をしっかり守って、適した濃度の物を使えばとても頼りになる虫除け。
副作用の心配もゼロではないですが、虫を介して病気になったり、そこら中が痒くなったりするくらいなら使った方がいい場面も多々あります。
ただ、子供への使用には注意が必要!イカリジン配合の虫除けやアロマ系の物で予防できるレベルならその方が安全です。上手に選んで虫の害を最小限に抑えたいですね!