貝毒の情報は潮干狩り前にチェックしておきたいことの一つ。
この貝毒、種類により症状も様々で死の危険もある程なので注意するに越したことはありません。
今回は、貝毒についての基礎知識と情報の入手の仕方をご紹介します。
記事の内容
貝毒って何?
貝毒は、毒化したプランクトン(貝のエサ)を食べた貝が毒をもってしまうこと。
毒化した貝は食中毒の原因になるので注意が必要です。
貝毒が出やすい時期は貝毒の種類や地域によりますが、春先から夏にかけて発生する場合が多いです。
貝毒が出た場所の貝はずっと危険?
貝毒の出た地域の貝はずっと危険だと誤解されやすいですが、実はそうではありません。
その海域の有毒なプランクトンはずっと生き延びるわけではなく、水温の変化などの環境要素で常に数が変化しています。
毒を帯びたプランクトンが死滅したり大幅に減った場合、貝は自然に毒を排泄。時間の経過とともに無害化していきます。
自治体から安全宣言が出されれば、また安全に食べることができるので無駄に怖がらなくても大丈夫です。
貝毒は加熱すれば大丈夫?
貝毒は熱に強く、加熱調理で毒は消えません!
お酢やワサビなどの薬味も全く効果がないので、毒のある貝を食べないのが一番です。
治療法もまだ確立していないので、対症療法のみとなります。
貝毒の種類
貝毒の主な種類はこの4つ。
- 麻痺性貝毒
- 下痢性貝毒
- 神経性貝毒
- 記憶喪失性貝毒
日本で多くみられるものは「麻痺性貝毒」と「下痢性貝毒」なので、この2つを詳しくみていきましょう。
麻痺性貝毒
原因になるプランクトン
アレキサンドリウム属が持つ毒。
時期
水温が上昇し始める春先に多い。
潜伏期間
食後30分以内。
症状
舌、口唇、顔面の痺れから始まり、ひどいと全身へ広がる。
重症では運動失調や言語障害、呼吸麻痺を引き起こすこともあり、死の危険もある。
治療法
対症療法のみ。重症で呼吸麻痺に至った場合は人工呼吸器も使われる。
12時間を超えると回復し始める。
貝の種類
ムラサキガイ、アカザラガイ、アサリ、二枚貝のホタテ、赤貝、牡蠣など。
規制値
貝のむき身重量1グラムあたり4MU(マウスユニット)未満。
下痢性貝毒
原因になるプランクトン
ジノフィシス属が持つ毒。
時期
夏に多い。
潜伏期間
食後約30分~4時間。
症状
下痢、腹痛、吐き気、嘔吐などの消化器症状。発熱はない。
治療法
対症療法のみ。3日以内に回復する。
下痢と嘔吐からの脱水症に注意。
貝の種類
ムラサキガイ、ホタテ、アサリ、アサガラガイ、イタヤガイ、コマタガイなど。
規制値
貝のむき身1キログラムあたり0.16mgOA(オカダ酸)未満。
貝毒情報はどこで見れる?
貝毒検査は海域ごとに行政と漁業協同組合などが連携して定期的に行われています。
検査からの一連の流れはこんな感じです。
↓
貝自体の貝毒検査
↓
基準値を超えた場合、漁と出荷の規制
↓
マスコミからの潮干狩り等自粛の呼びかけ
↓
その後の検査で3回基準値を下回ると安全宣言が出る
貝毒を避けるための方法
スーパーなどで売られている貝は自治体が定期的に検査していて、規制値を越えたものは出荷されないので安心。
でも、潮干狩りの貝は自分でチェックしてみる必要があります。
- 都道府県の水産課のページでチェック。(わからなければ問い合わせてみる)
- 潮干狩り場のエリアを管理している自治体や漁業協同組合に確認。
- 知らないエリアで貝を取って食べない。
ちなみに、潮干狩りが盛んな県のホームページはこちらなのでご参考まで。