フィンガーライムは時々メディアでも紹介される高級食材。
「森のキャビア」と呼ばれ世界の高級レストランで珍重されています。
今回は、このフィンガーライムを収穫してきたので種類や味、食べ方などをご紹介。教えてもらった育て方のヒントもお伝えします。
記事の内容
フィンガーライムはこんな植物
フィンガーライムはオーストラリア原産のちょっと変わったライム。
大昔からアボリジニ(オーストラリアの原住民)が食してきた「ブッシュ・タッカー」の1つです。
プチプチした見た目と食感からキャビアライムとも呼ばれ、高級レストランから引っ張りだこの食材です。
フィンガーライムの色と形
フィンガーライムは楕円のカプセル型。長さは2cm〜10cm程度で、指のようにも見えます。
皮の色は、緑・茶色・赤・黒っぽいものなどいろいろ。こんな感じで色も形もバラエティーに富んでます(義父宅から収穫してきました)。↓
フィンガーライムの中身
皮の中には丸い小さなプチプチがいっぱい。(外の皮は歯で簡単に破れます)
つぶつぶは指で押し出すことができ、噛むとプチっと皮が破れて口の中に果汁が広がります。
フィンガーライムは種類が豊富で、つぶつぶの色はピンク、赤、ペールイエロー、ライトグリーンなどいろいろ。
採ってきたライムを割ってみたらこんな感じでした。
レッド(ピンク?)
ペールイエロー
ペールグリーン(これは収穫できなかったので、写真をお借りしました)
ちなみに、フィンガーライムの種類にはこんなものがあるそうです。(一例です)
- ピンクアイス:薄茶の皮に真っピンクのつぶつぶ
- クリスタル(パール):緑の皮にライトグリーンのつぶつぶ
- クリムゾン:濃い茶色の皮に赤い大きめのつぶつぶ
- シャルトリューズ:うす緑の皮に黄色っぽいつぶつぶ
- レッドシャンパン:赤い皮に赤いつぶつぶ
普通の柑橘類のように薄皮はありますが、目立つ種はほとんど入っていません。
1つのフィンガーライムから出てくる種は2~3個です。↓
フィンガーライムの味
味はライムの味ですが、若干グレープフルーツのようでもあり、独特のアロマが感じられます。
このアロマは爽やかな香水系というか、少し和っぽいというか…これだ!と言い表すことができません(笑)
種類によっても味の違いがあり、赤系>黄色系>緑系の順で甘みが増します。
とは言え、ライムなので酸味は強め(渋みはあまり感じないけど)。
プチプチした食感は非常に歯ざわりがよく、くせになります。
フィンガーライムの栄養素
フィンガーライムは、ビタミンC、カリウム、葉酸、ビタミンEが豊富。
ビタミンCはマンダリン(みかんによく似てる)の約3倍で、ビタミンEは赤系のプチプチの方が多く含んでいるとのこと。
昔は、おできや化膿した傷に塗って使われていたこともあるそうです。
フィンガーライムの木
フィンガーライムの木は2〜7mほどの低木。
地植えでも鉢植えでもOKですが、コンパクトに育てたいなら鉢植えがベストです。
葉っぱはかなり小さく、お花は白や薄ピンクで他の柑橘系に似た感じ。
フィンガーライムの実はこんな感じで実りますが、枝がトゲトゲなのでうかつに手を出すと痛い目に合います(笑)
フィンガーライムの実を入手するのは困難(or高額)ですが、苗木は割と出回ってます。(大きなガーデニング店や通販)
フィンガーライムの食べ方
昔はジャムやピクルスなどにして食べられていたフィンガーライムですが、今は料理のトッピングに使うことが大半です。
例えば、こんな食べ方がおすすめです。
- 魚やチキンのグリルのトッピング
- 生牡蠣やシーフードカクテルのトッピング
- 冷製パスタに混ぜる
- ドレッシングやタルタルに混ぜる
- デザートのトッピング
- カクテルや炭酸系ドリンクに浮かせる
- そのまま食べる(酸っぱいけど私はこれが一番好き)
ライムのようにもキャビアのようにも使えておもしろいですよね。
ちなみに、皮は乾燥させてスパイスとして使えるみたいですが、やったことはありません。
※写真は格好つけてグラスにツブツブを付けましたが…ドリンクの中に落とした方が断然美味しいです(笑)
参考こぶみかん(カフィアライム)の特徴と育て方[実際に栽培中です]意外と長く保存できる
収穫したフィンガーライムは涼しい季節なら常温で2週間位持ちます。食べ切れない実は冷凍庫で半年くらい保存することも可能です。
冷凍した実は10〜15分位自然解凍すればOK。プチプチ感が損なわれることなくジューシーです。(写真のは解凍が足りずジューシーそうに見えませんが。笑)
フィンガーライムの育て方
フィンガーライムの生息地は沖縄くらいの気候で、日本と比べると乾燥気味の土地。
環境を合わせるための工夫が必要ですが、しっかりした接ぎ木から育てれば難しくないそうです。
フィンガーライムの苗木は人気なので割とすぐに売り切れますが、未知のフルーツに挑戦してみるのも楽しいかもしれません。
教えてもらった育てるヒントはこちらです。
- しっかりした接ぎ木から育てる。
- 水はけの良い土を使う。
- 夏の強い直射日光を避けるように工夫する。
- 木が成熟すれば寒さに耐えられるが、それまでは室内で温度管理が必要。
- 棘で実がやられるので、強風の場所は避ける。
- 水は土が乾いたらたっぷりあげる程度。(根腐りに注意)
- 肥料は2〜3ヶ月に1回程度でOK。
- 他の柑橘類と同じ害虫(芋虫とか)や病気に注意。
おわりに
フィンガーライムは「森のキャビア」と呼ぶのにピッタリの形状。
このクセになるプチプチ感に世界の高級レストランが虜になるのも頷けます。
供給より需要の方が圧倒的に大きいフィンガーライムは希少価値大。こんな森のキャビアを自宅で栽培するのは楽しいに違いありません。