今回は、毎年梅干しを作る家庭で育った私が梅干し作りの塩の量と塩の種類について詳しく解説します。
塩分濃度ごとの保存の仕方や長期保存に適した塩分濃度、塩の量の求め方もまとめたので参考になさってください。
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梅干しの作り方を見ると、入れる塩の量が人によって違いますよね。
割とよく見かけるのが塩分濃度18%〜20%前後の梅干しですが、それ以下のマイルドなレシピもあります。
塩分濃度と梅干しの味の関係はこんな感じになります。
22% | 激しょっぱく、すっぱい |
20% | すごくしょっぱく、酸っぱい |
18% | かなりしょっぱく、酸っぱい |
15%前後 | しょっぱく、酸っぱい |
10% | しょっぱさや酸味が割とマイルド |
8% | しょっぱさや酸味がかなりマイルド |
表現が微妙ですが昔ながらの20%前後の梅干しなら、食べた瞬間カラムーチョのおばあさん顔になります(笑)
10%〜15%位なら市販の梅干しのようなマイルドさがあると思っていいでしょう。
梅干しを長期保存するには?
塩の量は味だけじゃなく梅干しの賞味期限にも大きく関係してます。
と言うのも、塩にはカビ防止や腐敗防止の役目があるから。
こんなわけで、昔ながらのしょっぱい梅干し(20%前後)の方が確実に長期保存に向いてます。
例えば、うちの梅干しは塩分濃度20%。常温で長年保存してもカビたり腐ったりしたことはありません。
つい先日も、20年前に漬けた梅干しが出てきましたが、痛むどころかまろやかでいい感じになってました。↓
15%以下なら冷蔵保存で早めに消費
18~20%以上の梅干しなら常温で長期保存できますが、15%以下の梅干しは傷みやすいので冷蔵庫で保存して早めに食べるのが無難です。
例えば、スーパーやコンビニなどで減塩梅干しを買うと賞味期限が短く冷蔵保存と書いてありますよね。
その他にも、塩以外にハチミツや鰹節などを入れる場合は長期保存できないのでご注意を。
とは言え好みもあるので、まろやかな減塩梅干しがお好みなら冷蔵庫に入れて早い内にお召し上がり下さい。
減塩梅干しは作る工程でカビないようにホワイトリカーをまぶしたりする工夫もできますよ。
ちなみに、日持ちさせるためには傷のない綺麗な梅の実と清潔な保存瓶を使うことも大事です。
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梅干しの塩の種類
梅干し作りに適した塩は粗塩です。
海塩はミネラル分が豊富で、岩塩よりも味がまろやかになるのでよく使われています。
粗塩はサラサラした精製塩に比べて梅とよく絡むので梅酢が上がりやすくなる効果もありますよ。
逆にサラサラの食塩は梅との絡みが悪く、瓶の底の方に溜まってしまうので粗塩を使うのがベストです。
うちは定番の伯方の塩を使ってますが、せっかくなのでこだわるのもありですね。
梅干しの塩の量の求め方
さっきから塩分濃度の話をしてますが、何に対しての塩の量かといえば、梅の重さに対しての塩の量です。
梅を1キロ漬ける場合、必要な塩の量はこうなります。
・ 塩分20%:梅1kg×0.2(20%)=200gの塩
・ 塩分15%:梅1kg×0.15(15%)=150gの塩
・ 塩分10%:梅1kg×0.1(10%)=100gの塩
・ 塩分8%:梅1kg×0.08(8%)=80gの塩
こうしてみると結構な塩の量ですね。
濃い塩分濃度で漬けて後から塩抜きすることもできますが、塩抜きすると冷蔵保存で早めに食べる必要があるので食べる分だけ塩抜きしてくださいね。
おわりに
梅干しは塩分一つにしても奥深いですね。
実際のところ、カビや腐敗のリスクが少なく、長期保存できるのは塩分濃度20%前後の梅干しですが、減塩梅なら作るときに注意して早めに食べればOKです。
毎年微妙に調整を加えながらベストな所を見つけるのもいいですね。