こごみはちょっと変わった形をしていますが、とても美味しい山菜です。
祖母が元気だった頃は、裏山で採ったこごみを干して送ってくれていたので、家族全員大好きでした。
今回は、こんなこごみの特徴と下処理の仕方、おすすめの食べ方、保存方法をご紹介します。
記事の内容
こごみはこんな山菜
こごみは先端がくるんと丸まったシダ植物の1種。
青こごみは「クサソテツ」の若芽で、茎が茶色っぽい赤こごみは「キヨタキシダ」の若芽です。(赤こごみの方が少し珍しい)
人がかがんでいるように見えることから「こごみ」と呼ばれ、「こごめ」と呼ぶ地域もあります。(祖母は「こごめ」と呼んでいました)
こごみが採れる場所
こごみは日本全国の野山に自生しています。
湿り気があって日当たりの良い場所を好むので、木が生い茂った場所よりも水辺近くの少し開けた所に生えていることが多いです。
青こごみは株になって群生し、赤こごみは群れずに1本ずつ生えるのが特徴。(赤の方が見つけにくい)
成長すると不味くなるので、10~15cm程度の新芽を見つけたら根本から少し上をナイフで切って収穫します。(株で生える青こごみは来年用に1~2本残して採るのが◎)
採りに行く時は、山菜を採っていい場所かどうかを確認し、安全第一で!
こごみの時期
こごみが採れる時期は地域にもよりますが4月~6月頃。
スーパーに並ぶのもこの時期ですが、たまに出る程度だったり、売られていない事もよくあります。
地元で手に入らない時は、山の方の道の駅や直売所、通販を覗いてみるといいかもしれません。
▶生産者から直接届く【食べチョク】でこごみをチェックこごみの食感と味
こごみは、食べた時に若干のぬめりを感じますが、クセがなくシャキっとした食感です。
山菜の独特感が嫌いなうちの母でも美味しいと言って食べるほどなので、山菜初心者にもぴったり。野菜感覚で食べられます。
こごみのあく抜き
山菜はアク抜きが必要なイメージが強いですが、こごみにはアクがほとんどありません。
アク抜きは不要なので、ササッと下処理をしてすぐに調理できます。
こごみの下処理
こごみの下処理は、茶色のカスのようなもの(鱗片)を取りながら洗うだけです。
- こごみの鱗片を取りながら流水で洗う。
- ボウルに水を張って、こごみの丸まった部分を丁寧に洗う。(残った鱗片も取る)
- 茎の下の部分が茶色くなっていたら少しカットする。
鱗片が全部取り切れない時は、多少残っても大丈夫。葉っぱは食らべれますが、お好みで少し減らしてもOKです。
こごみの食べ方
こごみはクセがないので、どの料理にもよく合います。
その中でも私のおすすめは、こちらの4品です。
こごみのおひたし
こごみと言えばおひたし!生のこごみが手に入ったら、まず作りたい1品です。
作り方
- 沸騰したお湯に塩を少々入れて、下処理したこごみを投入。
- 1分前後茹でる。(お好みの固さに)
- ザルにあけ、冷水でしめる。
- いんげんの筋取りのような感じで、U字型になった茎の両端の筋を取る。[オプション]
筋取りはどちらでもいいですが、すると口当たりが良くなります。
ポン酢と鰹節、醤油マヨネーズで食べると最高で、胡麻和えにしても美味しいです。
こごみの天ぷら
おひたしと並ぶ定番の食べ方は天ぷらです。
おつまみにも、ご飯や麺類の付け合せにもピッタリで手が止まりません。
作り方
- 下処理したこごみを拭いて、打ち粉をする。
- 天ぷらの衣をつけてカリッと揚げる。
おすすめの食べ方は塩です。
こごみの煮物
こごみの煮物は子供の頃から大好きな一品でした。干しこごみとの相性もよく、ご飯が進みます。
うちの作り方はこちらですが、具材はお好きなもので大丈夫です。
- にんじんを短冊切り、玉ねぎをスライス、油揚げを細切りにする。
- 鍋に少し油を敷いて、にんじんと玉ねぎを炒める。
- にんじんと玉ねぎがヒタヒタに被る程度のだし汁を投入する。
- 味を見ながら醤油とみりんを加え、柔らかくなるまで煮る。
- 油揚げと下処理をしたこごみ、油を切ったツナ缶を入れる。
- こごみが好みの固さになったら完成。
油揚げをさつま揚げに変えたり、糸こんにゃくを入れても美味しいです。
こごみの炊き込みご飯
炊き込みご飯にこごみを入れるのもおすすめです。
作り方は炊飯器にご飯と調味料、下処理したこごみ、その他お好きな具を入れてスイッチを押すだけです。
調味料の黄金比はこちらをチェックしてみてください。↓
参考炊き込みご飯レシピ[調味料の黄金比とおすすめのおかずを紹介]こごみの保存
こごみは固くなったり傷んだりしやすいので、新鮮な内に食べ切るのが鉄則。
たくさんある場合や、その日に使わない時はこんな風に保存してみて下さい。
冷蔵する
2~3日中に食べ切る時は冷蔵庫で保存できます。
コツは、水で洗わないことと乾燥を防いであげることです。
- こごみを洗わずに新聞紙で包む。(重ねたキッチンペーパーでもOK)
- 保存袋に入れて、冷蔵庫(できれば野菜室)で保存する。
冷凍する
冷凍するなら1ヶ月程度の保存が可能。こんな風に茹でてから保存します。
- 下処理したこごみを固めに茹でて冷ます。
- ペーパータオルでしっかり拭く。
- ジップロックに並べて冷凍庫に入れる。(袋の空気をしっかり抜く)
冷凍すると少し食感が変わりますが、煮物や炒め物、味噌汁などにすると美味しいです。(解凍せずに調理できます)
乾燥こごみ(干しこごみ)にする
こごみは干して保存することもできます。
食べる時は、ふっくらするまで半日~1晩ほど水で戻すだけ。乾物特有の旨味も加わり、煮物や炒め物などにピッタリです。
- 下処理したこごみを茹でる。(おひたしの要領)
- ザルにあけて冷ます。
- 筋を取る。[オプション]
- 平らなザルや干し物カゴなどに重ならないように広げる。
- 数日間カリカリになるまで天日干しする。(日の当たらない時間は屋内へ)
- 冷暗所or冷凍庫で保管する。
乾燥するまでは独特の臭い匂いがしますが、干し上がれば変な匂いはなくなります。
乾燥こごみは日持ちが長いのが魅力。目安としては1ヶ月程度と言われていますが、うちの祖母の干しこごみは常温(冷暗所)で半年以上保存できていました。
ただ、早めに食べるに越したことはなく、心配なら冷凍してもいいでしょう。
参考アスパラガスの旬と6つの美味しい食べ方、鮮度キープの保存法 参考梅酒に適した梅の種類と選び方のコツ、販売時期と売ってる場所を解説おわりに
こごみは見た目がかなりユニークですが、クセがなくどんな料理にも合う山菜です。
アク抜きが必要ないので調理も簡単。定番のおひたしや天ぷらの他にもいろんな食べ方に挑戦してみて下さい。