奈良県の大神神社(おおみわじんじゃ)は三輪明神(みわみょうじん)の名前でも親しまれる日本最古の神社。
三輪山が御神体の自然に囲まれた神社で、パワースポットとしても有名です。
また、不思議体験も多い神社だそうで、子供の頃から家族で参拝していた母や伯母からも何度か体験談を聞いたことがあります。
今回は、私も小さい頃から参拝していた大神神社について詳しく書いていこうと思います。
大神神社とは?
大神神社は奈良県の桜井市にある神社。
諸説あるものの日本最古の神社と言われていて、「古事記」や「日本書紀」にも創祀(そうし)にまつわる神話が記されています。
境内はとても広く、摂社もたくさん。拝殿や三ツ鳥居(みつとりい)は国の重要文化財になっています。
ささゆり園や竹林、三輪の山々を見渡せる「大美和の杜展望台」などもあり、四季の自然を楽しみながらの参拝もおすすめです。
大神神社の神様
大神神社のご祭神は「大物主大神(おおものぬしのおおかみ)」。日本神話にも登場する国造りの神様です。
大物主大神は農業、工業、商業、すべての産業、 治病、製薬、造酒、交通、縁結びなど生活全般を助けてくれる神様としても有名。厄除けの神様としても知られています。
三輪山がご神体
大神神社のご神体(神様が宿る場所)は高さ467m、周囲16kmの三輪山です。
神話によれば「大物主大神」が出雲の「大国主神」と話し合い、国造りのために自ら三輪山に鎮まる事を決めたとか。
ということで、三輪山の木、草、岩全ての生命には神様が宿っているといわれています。
ご神体がお山なので、大神神社には本殿がないのが特徴。拝殿の奥にある三ツ鳥居を通して三輪山にお参りする形なってます。
このお参りの仕方が日本最古の神社といわれる由縁です。
和魂(にぎみたま)と荒魂(あらみたま)
神様は平和で穏やかな力(和魂(にぎみたま))と祟りをなすほどの強力な力(荒魂(あらみたま))を持つと言われています。
ご神体の三輪山には御祭神の和魂、摂社の狭井神社には荒魂が祀られているそうです。
大神神社の拝殿と摂社・末社
ここからは大神神社の拝殿と主な摂社をご紹介していきます。
祓戸神社(はらえどじんじゃ)
祓戸神社(はらえどじんじゃ)は二の鳥居を通って拝殿へ向かう途中にある一番最初の神社。
心と体を清めてくださる祓戸の四神が祀られており、最初にお参りする場所です。
夫婦岩(めおといわ)
拝殿へ行く階段の手前にあるのが夫婦岩(めおといわ)。
夫婦が寄り添うように並ぶこの岩は神様の鎮まる「磐座(いわくら)」の一つです。
ここには、ご祭神「大物主大神」と人間の女性のラブストーリーも残り、縁結び、夫婦円満のご利益があるといわれています。
拝殿
拝殿は1664年に再建された国の重要文化財。
大神神社の神様は本殿ではなく三輪山に鎮まっているため、拝殿から三ツ鳥居を通して三輪山に向かってお参りします。
三ツ鳥居(みつとりい)
拝殿の奥にある三ツ鳥居は、普段は神職でも入れない禁足地と拝殿の間の結界。(国の重要文化財)
鳥居が3つ並んだ不思議な形で、真ん中の鳥居には御扉(みとびら)がついています。
普通にはお参りできないので、祈祷殿で申し込みが必要。参拝する時は神職の方が案内してくれます。
巳の神杉(みのかみすぎ)
「巳の神杉」は拝殿の手前にある杉の木。
幹回りが4.5~5mほどもある大木で、樹齢は400年ほどだといわれています。
「巳の神杉」という名前は御祭神の化身とされる白蛇が住むという伝説から付けられたもの。
神木の前には蛇の好きな卵やお酒が沢山お供えしてあります。
なでうさぎ
大神神社は卯の日に祭事が行われたり、因幡の白兎(いなばのしろうさぎ)伝説と関係があるなどウサギと縁の深い神社です。
「なでうさぎ」は元文5年に奉納された鉄灯篭に据えられていたもので、青銅製だったため戦時中の金属回収も免れました。
このうさぎを撫でると「体の痛いところが治る」「願いが叶う」と信じられています。
くすり道
「久すり道」は摂社の「狭井神社」方面へ繋がる緑豊かな道です。
ゆるやかな階段は森に囲まれていてハイキング気分。薬草や薬木が植えられています。
磐座神社(いわくらじんじゃ)
磐座神社はくすり道を登った先にある社殿を持たない磐座(神様の鎮まる岩)。
ここには薬の神様や酒の神様(酒も薬の一部とされていたから)として知られる「少彦名神(すくなひこなのかみ)」が祀られています。
市杵島姫神社(いちきしまひめじんじゃ)
市杵島姫神社は海の神様であり水の神様。芸能や財宝を司る弁天さんとしても親しまれてます。
お社は池の中の島にあり、庭園のような気持ちの良い空間です。
狭井神社(さいじんじゃ)
大神神社の神様の荒魂(パワフルな側面)が祀られる狭井神社は、病気平癒のご利益で有名。
神社の奥には万病に効くといわれる御神水(ごこうずい)が湧き出る薬井戸があり、飲んだり汲んで持ち帰ったりすることも可能。
4月18日の「鎮花祭(はなしずめのまつり)」は「薬まつり」としても知られています。
参考狭井神社は病気平癒の神様! 薬井戸で有名な大神神社の摂社を参拝三輪山登拝口
三輪山登拝口は御祭神が鎮まる三輪山への入口。(狭井神社の右手側)
霊験あらたかな山なので古代から近年までは人間の入れない禁足地でしたが、今は狭井神社で受付をすれば登拝できます。
「山に呼ばれた人しか入れない」という噂もあり、呼ばれていない人は用事や天候などの事情でことごとく入れない事もあるとか。
聖域なので参拝目的の入山のみです。
久延彦神社 (くえひこじんじゃ)
久延彦神社は古事記にも登場する「久延毘古命(くえびこのみこと)」が鎮座される神社。
世の中の事をことごとく知っている知恵の神様で、受験合格や学問向上のご利益があります。
かわいい知恵フクロウさんも必見です。
参考久延彦神社で合格祈願!知恵ふくろうがいる大神神社の末社で参拝大神神社のお守り
お守りやお札、おみくじなどの授与所は拝殿の左斜め前にあります。
ほとんどのお守りやお札がここで受けられますが、摂社・末社(狭井神社や久延彦神社など)にしかない品も。
御祭神が人間の生活全般の守護神なので、お守りはいろんな種類があります。(初穂料:五百円から千円)
一部ご紹介するとこんな感じです。
- 本社お守
- みまもり(白蛇のお守り)
- うさぎお守
- 交通守
- 健康守
- 病平守
- 縁結び守
- 子供守
- 安産守
- 干支守 など
三輪山(大神神社のご神体)から採取された「清めのお砂」もあり、転居や移転、開業、建築や取り壊し、木の伐採などの際のお清めにいいそうです。
御朱印(初穂料:五百円/三百円)も頂くことができ、大神神社の御朱印帳(初穂料:2千円)もありますよ。
大神神社の不思議体験
大神神社は不思議な力のある神社だといわれ、いろんな体験をする人がいるようです。
小さい頃から参拝していた母や伯母も、お参りに行く度に昔の不思議な体験談を話していたのでシェアしたいと思います。
白蛇の登場
母方の実家は昔から先達さんと一緒に大神神社を参拝していたのですが、神社に到着すると必ず白蛇が姿を現したとのこと。
ご祭神の化身は白蛇ですからね。
ちなみに、私は一回も見たことがありません…。
卵の不思議
大神神社は蛇の神様なので、昔から参拝者が卵をお供えする習慣があります。
母の話では、中身だけなくなった無傷の卵の殻が至る所にあったとのことで、なんとも不思議な話です。
御神水の不思議
母方の実家は狭井神社で汲んできた御神水(ごこうずい)を神棚にお供えするのが習慣。調子の悪い時に少しずつ飲む程度なので、約1年常温保存です。
ところが、約1年近く常温で置いてあっても水が腐ったことがないとのこと。
うちはある程度したら冷蔵庫に入れますが、1年近く経っても味が変わらず普通に飲めるので不思議です。
※ほんとは早めに飲んだ方がいいと思います。長期保存したい方は必ず飲む前にチェックしてくださいね!
参考大神神社周辺のそうめん処6選 [名物の三輪素麺は最高です] 参考大神神社で参拝後のランチにおすすめ!隠れ屋カフェと人気のお店12軒おわりに
大神神社はお参りするたびに背筋がピシッと伸びるというか体がスーッと整う感覚があります。
自然に囲まれたとても清々しい神社なのでぜひ参拝してみてください。