お煮しめはおせち料理やお食い初めなどの行事に欠かせない一品。縁起のいい食材が詰め込まれ、ご飯のお供にもお酒のつまみにもピッタリです。
今回は、おいしい煮しめの作り方、筑前煮との違い、煮しめに入れる具材の意味をまとめてみました。
参考おせち料理の詰め方とレイアウト[ 縁起のいい具材の意味も紹介]記事の内容
おせちの煮しめの作り方
煮しめの材料(たっぷり4食分)
まず、煮しめに入れる定番の具材はこちらです。
地域や家庭によっても違うので、厚揚げや鶏肉、がんもどき、大根などお好みで足してください。
- 干し椎茸:4~8個
- れんこん:1節
- ごぼう:1本
- にんじん:1本
- 里芋:8個
- タケノコの水煮:1個
- こんにゃく:1枚
- 絹さや:飾り用に数枚
- だし汁:具材がヒタヒタに被る量
- 醤油:大さじ2~3*
- 砂糖:大さじ2*
- みりん:大さじ2*
だし汁の量は鍋の大きさによりますが、具材がヒタヒタに被る量があればOKです。
*調味料の量はただの目安。最初少なめに入れて、味を見ながら調整します。
具材の下準備
煮しめは具材の下準備をすることで、美味しくきれいに仕上がります。
野菜の切り方は、おせち料理や行事用なら飾り切りが映えますが、乱切りでも十分です。(切り端の使い道を考えなくていいし)
干し椎茸
- 水につけて戻す。(戻し汁はだし汁へ)
- 軸を切る。(軸は煮物に入れてもOK)
- 大きな椎茸なら食べやすく切る。
椎茸の傘を左右5mm幅に切り落とし、上下を八の字に切ることで縁起のいい「亀甲しいたけを作ることもできます。
参考干し椎茸はこれ一筋!国産でコスパ最強のおすすめ品はこれ!れんこん
れんこんは花れんこんにすると特別感があり、乱切りにすると歯ごたえが良いです。(乱切りなら④~⑥はスキップ)
- れんこんの皮を剥く。
- 沸騰したお湯に塩少々とお酢を入れて丸ごと2~3分茹でる。(切る時に割れにくくなる)
- ザルにあけて水につける(酢の味を取る)。
- 1cm程度の輪切りにする。
- れんこんの穴と穴の間にV字の切込みを入れる。
- 花びらのように丸く整える。
最近、なかなかシャキシャキのれんこんに当たりませんが、こちらの岩国レンコンはよかったです。
ごぼう
- ごぼうを洗う。
- たわしやスプーンなどでこすって皮をこそげ取る。
- 乱切りにして水につける。(アク抜き)
にんじん
にんじんは飾り切り(ねじり梅)にするか、乱切りにします。(乱切りなら②~④をスキップ)
- 洗って皮を剥く。
- 1cm程度の輪切りにして梅型で型抜きする。
- 花びらの切れ目から中心に向かって切り込みを入れる。
- 花びらの頂点から③の線に向かって斜めに包丁を入れ、薄く削ぎ落とす。
里芋
里芋は面取りすると見栄えがよく煮崩れを防げます。
- 里芋の両端を切る。
- 六角形になるように皮を剥く。
- 横に半分に切る。
- 塩もみして水洗いする。(ぬめり取り)
- ヒタヒタの水で数分茹でてザルにあける。
タケノコの水煮
- 水を切る。
- 穂先と下の部分に分ける。
- 穂先を食べやすいサイズに縦切りにする。
- 下の部分は一口大に切る。
こんにゃく
こんにゃくは手綱こんにゃくにするか、味が染みるようにスプーンで1口大にちぎります。(ちぎる場合は①~③を飛ばして④へ)
- 板こんにゃくを5mm~1cm弱の厚さに切る。
- 真ん中に切り込みを入れる。(上下1cmずつ残す)
- 上か下のどちらか一方を切り込みにくぐらせ、形を整える。
- 2分ほど茹でてザルにあける。
絹さや
- 筋を取る。
- 少し塩を入れた熱湯で1分ほど茹でる。
- 氷水につけて水気を切る。
だし汁
出汁はかつお節と昆布で取ると本格的ですが、市販の白だしやだしの素でも十分おいしくできます。
だしを取る時や薄める時の水には椎茸の戻し汁を使うのがおすすめです。
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下ごしらえが終わったら煮付けていきましょう。
※落し蓋は穴を開けたクッキングシートやアルミ箔で代用できます。
- 鍋に絹さや以外の具材と、ヒタヒタに被る位のだし汁を入れる。
- 一度煮立ててアクを取る。
- 弱火にし、醤油(大さじ1)、砂糖(大さじ1)、みりん(大さじ2)を入れる。
- 落し蓋をし、途中で数回混ぜながら15分ほど煮る。
- 落し蓋を取り、中火でグツグツ煮る。(煮汁を飛ばすため)
- 鍋を揺すったり、箸で混ぜながら焦がさないように煮る。(煮崩れに注意)
- 煮詰まってきたら、味を見ながら適量の醤油と砂糖をたす。
- 煮汁がほぼなくなったら、絹さやを混ぜて火から下ろす。
煮しめと筑前煮の違い
煮しめと筑前煮は、どちらも濃い目の味付けで煮汁がなくなるまで煮込む料理です。
違いと言えば、筑前煮は筑前地方(福岡)の郷土料理で、鶏もも肉と具材と炒めてから作ること。鶏肉と炒めることで、コクのある味わいです。
とは言え、全国各地にはいろんな煮しめがあり、使う具材はさまざま。呼び方も、煮しめ、筑前煮、うま煮、がめ煮などいろいろです。
筑前煮の作り方
筑前煮の作り方はこちら。最初に鶏肉を炒めてから煮込んでいきます。
使う具材や調味料は煮しめとほぼ同じ。鶏肉から旨味が出るので、だし汁ではなく椎茸の戻し汁で煮込みます。(薄い時は出汁を足す)
- 煮しめと同じように具材の下処理をする。
- 鍋に油を敷いて一口大に切った鶏ももを両面焼く。
- 鶏肉を取り出し、鍋に残った油で他の具材を炒める。
- 具材がヒタヒタに被る程度まで、しいたけの戻し汁と水を入れる。
- 煮立たせてアクを取る。
- 調味料を入れてから落し蓋をして15分程度煮る。
- 落し蓋を取って鶏肉を戻し、鍋を振りながら中火でグツグツ煮る。
- 煮詰まってきたら、味見しながら調味料をたす。(必要なら)
- 煮汁がほとんどなくなったら火を止める。
煮しめ(筑前煮)の賞味期限
煮しめは濃いめの味付けで煮汁を飛ばしておけば、冷蔵庫で4~5日程度持ちます。
常温でも1日1回火を通せば3~4日持つことが多いです。(冬の暖房なしの場所)
うちは12月30日頃に作って冷蔵し、途中で1~2回火を入れて3が日頃までは普通に食べています。
賞味期限はあってないようなものなので、見た目や匂いを確認しながら食べるのがベストです。
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煮しめはおせちの三の重に入れる定番料理。いろんな具材が彩りよく入った煮しめには「家族が仲良く結ばれる」という意味があります。
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煮しめには定番の具材1つ1つにも縁起のいい意味があります。
れんこん
穴が空いて先まで見通せることから「将来の見通しがいい」という意味。
ごぼう
しっかり根を張ることから「一家の繁栄」の意味。
たけのこ
まっすぐ伸びて成長が早いたけのこは、仕事運や出世運アップの縁起物。
にんじん
梅に見立てたにんじんは、春の訪れをいち早く教える縁起物。
しいたけ
傘の部分を亀の甲羅に見立てて長寿の縁起物。
こんにゃく
手綱こんにゃくは縁結び・夫婦円満の意味。
里芋
種芋からたくさんの小芋が収穫できるので、子孫繁栄・子宝の意味。
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煮しめはおせち料理に欠かせない縁起物。実家ではお正月以外にも食卓に上りましたが、普段のおかずやお弁当にも最適です。
具材は地域や家庭によって差があり、味付けもいろいろ。
普通使いなら乱切りでいいし、下茹でなどの下処理をある程度省いても美味しいので気軽に作ってみて下さい。
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